VPS環境で「augenrules[906]: failure 1」や「shpchp failed」のエラーは無視する
Rocky Linux 10のVPS環境で/var/log/messages や dmesgに、下記のような「failure 1」や「failed with error -16」を含むエラーが出てる場合があります。これはハードウェアの故障ではなく、VPS特有の無視していいログです。それぞれの原因を分かりやすく解説します。
Aug 9 03:00:55 example kernel: x86/split lock detection: #DB: warning on user-space bus_locks Aug 9 03:00:55 example kernel: shpchp 0000:01:00.0: pci_hp_register failed with error -16 Aug 9 03:00:55 example kernel: shpchp 0000:01:00.0: Slot initialization failed Aug 9 03:00:58 example augenrules[906]: failure 1 Aug 9 03:00:58 example augenrules[906]: failure 1 Aug 9 03:00:58 example augenrules[906]: failure 1
「failed」や「failure」というエラーが上がっているので、故障・障害などでシステムに深刻な障害が起きているのではと思いますが、結論から言うと、これらはすべて安全であり、完全に無視して問題ありません。
なぜこれらのログが発生するのか、3つの原因と背景を解説します。
augenrules[906]: failure 1
これはエラーではなく「セキュリティ監査システム(auditd)の初期化時のステータス報告」です。Rocky Linux 10が起動する際の標準的な挙動です。
Linuxの監査サブシステム(auditd)の初期化スクリプトである augenrules が、起動時に現在の設定状況を出力しているだけです。
具体的には、「もし監査バッファが溢れるなどの致命的な問題(failure)が発生した場合は、モード 1(カーネルログに出力)で動作します」 という設定内容(-f 1)を報告しています。
shpchp: pci_hp_register failed with error -16
shpchp は、サーバーを起動したままPCIeカードなどを抜き差しする「PCIホットプラグ」を制御するためのドライバーです。
VPS環境では、KVMやQEMU、VMwareなどの仮想化技術(ハイパーバイザー)が使われています。OS側(Rocky Linux)のカーネルは、仮想PCIスロットの抜き差し機能を有効化しようと試みますが、VPSのホスト側(親機)ですでにそのスロットが固定・制御されているため、競合が発生してエラー(-16: Busy)になります。
VPS環境において物理的なカードの抜き差しは発生しないため、この機能が失敗してもサーバーの動作、SSDの性能、ネットワーク等には一切影響しません。
x86/split lock detection: warning on user-space bus_locks
近年のIntel/AMD製CPU(XeonやEPYCなど)と、Rocky Linux 10が採用している新しいLinuxカーネルの組み合わせで表示される警告(warning)です。
ユーザー空間で動作する一部のプログラムやミドルウェアが、CPUの処理効率を低下させる古いメモリ接続方式(スプリットロック/バスロック)を要求した際、カーネルがそれを検知してログに残します。
カーネルが「警告」を出した上で命令自体は安全に処理しているため、システムがフリップしたりクラッシュしたりすることはありません。 パフォーマンスへの影響も体感できないレベルです。
結論
これらのログは、「最新世代のCPUやカーネル」と「VPSの仮想化環境」が組み合わさった際に非常によく見られる標準的な挙動です。
もし、このログが出ているタイミングで、
- SSH接続が繋がらない・突然切れる
- Webサーバー(Nginx / Apache)やデータベース(MySQLなど)が起動しない
- サーバーが起動途中で完全にフリーズする
といった具体的な不具合(実害)が起きていないのであれば、何も設定を変更せずそのまま運用を続けて問題ありません。 安心してWebサイトの構築や開発を進めてください!

